今回はトマトについての記事です。
みなさんもトマトは日常的によく食べるはずので、この機会により深く知りましょう。
トマトと言えば「リコピン」と思い浮かべるほど、リコピンのイメージが強いと思います。
しかし、リコピンが実際にどういった働きをするかはあまり知りませんよね。そのあたりの疑問も解決していくので最後までご覧ください。
では本編にいきましょう。
目次
1.トマトのあれこれ
トマトは南アメリカのアンデス山脈地方が原産のナス科ナス族の植物です。
漢字では「蕃茄(ばんか)」と書かれるるのが一般的です。
収穫量は、都道府県別では熊本県が第1位で、世界の国別では中華人民共和国が第1位です。
ちなみに現在、一世帯あたりの購入量(円)は、野菜部門でトップクラスです。トマトは日本国民にとってそれほど身近な存在だということですね。
主な栄養素はβカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、食物繊維などです。
これらの栄養素から期待できる主な効果は以下です。
便通の改善
免疫力アップ
血圧の改善
これはこれで良いのですが、ハッキリ言うとこれらだけなら他の食材でも代用できます。そこでいよいよ登場するのが「リコピン」です。次の章では、リコピンについて深く触れていきます。
2.リコピンとは?
リコピンとは、カロテンの一種で、赤い色素が特徴の有機化合物です。
ちなみに、カロテン(carotene)の由来は、人参(carrot)です。
このカロテンの一種である「βカロテン」にも強い抗酸化作用がありますが、リコピンにはその2倍もの抗酸化作用があると言われています。
そうです、この抗酸化作用がリコピンを知る上でのキーワードです。続いては、抗酸化作用のお話をしていきます。
3.抗酸化作用とは
抗酸化作用は、以前の記事でも何度も出てきましたが、大事なので改めて説明します。
言葉を分解すると、「酸化に抗う作用」です。
細胞が”酸化”するのがダメなので、それに抵抗してくれるわけです。酸化とは、簡単にいうとサビることです。
体内には「活性酸素」という物質があり、細菌など悪い物質を撃退してくれますが、それが過剰になってしまうと良い細胞まで傷つけはじめます。これが酸化です。
「自転車のチェーン」を思い浮かべると分かりやすいと思います。
買いたての自転車はチェーンがツルツルでスムーズに動いてくれますが、雨ざらしにしておくと次第に錆び付いてきます。
そうなるとチェーンが「ギイ、ギイ」なって余計な力がかかって疲れます。だから、もちろん錆びていない方が都合が良いですよね。
この現象が身体の中で起こるのが「細胞の酸化」です。
細胞が酸化すると、老化したり、ガン細胞が増えたり、良いことがありません。
このような酸化を少なくしてくれるのが「抗酸化作用」というわけです。
そんな抗酸化作用の恩恵を受けていれば、細胞を若く保ってくれ、免疫力アップが期待できます。だから抗酸化作用を高めてくれるような食事を摂取することは大切で、リコピンを摂取することで効率良く高めてくれる可能性があるということです。
4.リコピンの必要量
以下が、リコピンの含有量です。
1日の摂取目安 | リコピン量 | |
トマト(100g) | 15g | 3g |
ミニトマト(100g) | 15g | 8g |
トマトジュース(200mg) | 15g | 15g〜 |
いかがでしょうか?
トマトの100gは約2/3個程度。
プチトマトの100gは7〜8個分。
トマトジュースはコップ一杯で1日の摂取量をまかなえます。
ちなみに、トマトは熟れているほどリコピン量が増加するそうです。
他では、スイカやパパイヤなどにも含まれていますが、年中気軽に手に入れられることを考えると、やはりトマトがベストでしょう。
こう見るとトマトジュースを選択するのが一番手っ取り早いかなという結論になりますね。トマトジュースの注意点としては、味の調整のため塩分が高くなっているものがあることです。それで塩分過多になるのも良くないので、できれば無添加ものが無難です。はじめは「野菜」という感じの味なので抵抗あるかも知れませんが、すぐに慣れます。人間の味覚の慣れはすぐにきますので。
また、トマトの調理のポイントとしては、スープなどにして煮るのがオススメです。リコピンは煮た方が吸収率が上がるとも言われているので良いですし、スープなら他の水溶性ビタミンも逃すことなく摂取できます。
5.食べすぎると
さて、ここまでトマト(リコピン)の良いところばかりを取り上げましたが、デメリットもあります。
あくまで食べ過ぎると悪いということなので、バランスを意識していれば基本的には大丈夫なはずです。
・シュウ酸の影響で尿路結石
・黄色くなる
・身体を冷やす
・一部のスギ花粉症の方
シュウ酸の影響で尿路結石になる
まずシュウ酸は水溶性なので、水で調理するとその際に出ていきます。
しかし、生で食べることも多いトマトはほうれん草ほどではありませんが、多少の注意はしましょう。
ダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんは「野菜が足りていない」と思ったことから、野菜ジュースを1日3〜5ℓ飲み続けたら尿路結石になったという、ちょっと有名な話があります。
医者からは「それは象の摂取量です」と言われたそうです。
そのぐらい摂取すれば、健康になるのイメージがある野菜であっても、もちろんNGだということです。それを知れたので、ある意味ジモンさんに感謝したいです。
黄色くなる
「柑皮症」と呼ばれる症状で、みかんなど柑橘系を過剰摂取した時になるものと同じです。
これはカロテンが過剰になり、皮膚に色素沈着することで起こります。
これ自体には特に健康的な被害はないみたいですが、肌が異常に黄色くなるのは抵抗ありますよね。
身体を冷やす
トマトは「身体を冷やす野菜」の分類です。
これはカリウムの影響です。カリウムは無駄な塩分を体外へ排出してくれる大切な役割がありますが、その時に温度も下がるのです。
夏だと、熱がこもっているよりは良いかも知れませんが、特に冬だと身体の冷えにつながります。
もちろん、これも食べ過ぎるとということなので、バランスをとっていれば問題ありません。
結果、食事はバランスを大切にしていれば、そこまでこれらのデメリットも過剰に気にする必要はありません。
一部のスギ花粉症の方
トマトやトマトジュースは、免疫力アップが期待でき、花粉症の改善が見られたという報告もあります。
しかし、一部、特に敏感なスギ花粉症の方は痺れや痒みがみられるようです。
そんな症状が出た時は、摂取するのをやめてください。そこは無理しない方が良いです。
6.まとめ
今回はトマトについて語ってきました。
リコピンの抗酸化作用は強力なので、積極的にメニューに取り入れたいですね。
そんなリコピンを一番手っ取り早いのは、トマトジュースです。また、はじめは少し飲みにくいかも知れませんが、塩分無添加がベターです。
1リットルのトマトジュースを買っておけば、毎日買う必要がないのでオススメですよ。
その他、βカロテン、カリウムなど大切な栄養素も摂れるので、トマトの野菜スタメンの座は堅いでしょう。
くれぐれも摂りすぎには注意してください。
それでは最後までありがとうございました。
参考
・わかさの秘密『リコピン』
・糖尿病ネットワーク『トマトのリコピンが糖尿病リスクを低下 血管を健康にする抗酸化作用』
・ユーグレナ健康コラム『トマトジュースで花粉症の症状を改善!トマトジュースの効果や注意点を解説!』
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