今回はタバコの話です。
日本でもここ数年でタバコ事情は目まぐるしく変化してきましたよね。
タバコの値段が上がり、路上喫煙も年々規制が強化され、飲食店での喫煙が基本的に禁止になりました。
喫煙者にとっては、辛い状況になっていることは確かです。
そんな今、間違いなく禁煙する良いチャンスだととらえている方も多いはずです。
僕自身は喫煙者ではないのですが、タバコが人体に与える影響ぐらいは知識として持っておくべきだと思い調べました。
この記事では、吸う、吸わない問わず、全ての人が知っておくべきタバコの知識をまとめています。
目次
タバコとは
あまりタバコの知識について知る機会がないと思うので、少しだけ歴史も見ていきます。
タバコは、ナス科タバコ属の植物で南アメリカの熱帯地方が原産です。
元は南アメリカで薬草として使用されていたタバコですが、大航海時代がきっかけでヨーロッパに喫煙の文化も広がっていきます。その後、一気に世界へ拡大していったそうです。
日本には16世紀頃には入ってきているようで、江戸時代に入ると徐々に一般の間にも浸透していきました。江戸時代の喫煙者を描いた風俗画も残っています。
現在は葉タバコ生産量、紙巻きタバコ製造量ともに中国が1位です。
主流煙と副流煙
小学校の時、一年に一回ぐらい体育館でこんな授業がありませんでしたか?
タバコを吸い続けるとこんなに肺が黒くなります
主流煙より副流煙の方が身体に悪影響です
もちろんこれは事実で、改めて知っておく必要があります。
主流煙とはタバコを吸う本人が吸う煙です。
副流煙は、タバコの点火している部分から出る煙です。
なぜ有害物質の量に違いが出るのかというと、燃焼する温度が違うからです。
煙を吸い込む際の先端の温度は900℃あるのに対し、吸い込んでない時は500℃しかなく不完全燃焼になるので、副流煙の有害物質が多くなるというわけです。
こういう訳で、受動喫煙を甘くみてはいけないと言われています。
さて、続いてはタバコのデメリットを詳しく見ていきましょう。
喫煙すると何に悪いか?
・体力が落ちる
・受動喫煙により、周りにも悪影響
・お金がかかる
・どんどん厳しくなる
体力が落ちる
喫煙するとスタミナ(体力)が落ちるというのは皆さんもよく聞くと思います。
タバコの煙が肺などの呼吸器系に悪影響があるのは想像しやすいですよね。
しかし、それだけではありません。
まず、血管の収縮も指摘されています。
血管が収縮するということは、血流が悪くなるということです。
栄養運搬などを担っている血流がスムーズではなくなると、身体の至る所に不具合が生じます。
Amazonでお届けものがたくさんあるのに、道路が混んでいたら運送業者さんも注文者も大変ですよね。
また、血液中のビタミンCの濃度も低下します。
ビタミンCは本来、回復や体調維持で使いたいのに、有害物質の影響で余計なところで消費したり、破壊されたりするからです。
その結果、身体の回復作用が弱くなると考えられます。
特にアスリートにとっては身体的パフォーマンスが落ちることは絶対に避けなければいけません。
アスリートでも喫煙者はたくさんいますが、吸わないに越したことはないでしょう。
「吸わないストレス」や「吸った時の気持ち良さ」など、どちらが良いのか考えると、実際はその人によるのかもしれません。
とは言え、メンタル面抜きで「フィジカル面」だけ考えると吸わないに越したことはないでしょう。
もちろん吸い続けると体力が低下するにとどまりません。
病気になりやすくなり死亡リスクも上がります。
個人差はあるとは思いますが、長い目で見たら差は大きいですよ。
受動喫煙により、周りにも悪影響
分煙化が進んだと言えど、家庭ではまた話が変わってきます。
僕の父親もヘビースモーカーで昔は部屋でよく喫煙していました。
考えてみると子どもの頃の僕は副流煙を浴びるように吸っていましたね。
今でこそ、父親も部屋の中では吸わないようになっていますが、それは僕が実家に住んでいた頃に変えて欲しかったものです。
かつての僕の状況のような家庭は減少しているでしょうが、まだまだいるはずです。
ある統計では、喫煙者本人よりも配偶者の方が死亡リスクが上がるというふうに示唆しています。
自分自身だけでなく、大切な人にも少しでも長生きしてもらうためにも、禁煙は大切です。
お金がかかる
タバコはタダではありませんよね。お金がかかります。
友達に「一本ちょうだい」で人生乗り切るのは至難の業です。
健康と同時に、友達を失うリスクも背負うことになりますから、くれぐれも頻発はしないようにしましょう。
さて、紙巻きタバコで売り上げトップは「セブンスター」という銘柄です。
2021年にも値段が上がったので、現在はセブンスターの価格は1箱600円です。
「毎日1箱消費すると年間でいくら?」
「30年間吸うとして合計いくら?」
「もしその金額を積み立て投資にまわしていたらい一体いくらになった?」
さぁ、計算してみましょう。
タバコを長年愛用する人の試算
[1日1箱消費すると…]
600円×365日=219,000円(1ヶ月あたり18,250円)
[30年間吸い続ける…]
219000×30=6,570,000円
[1ヶ月18250円、30年間、年利3%で積み立てすると…]
合計 10,634,948円 (金融庁 資産運用シミュレーションより試算)
みのさんもビックリの1000万円超えです。
老後資金としてはかなり役立つ額じゃないでしょうか。
タバコの単価が上がったので、ここまで費やす人も減少していますが、こんな数字を見ると少し躊躇しませんか?
こうして健康面だけでなく、金銭面も考えるとかなり説得力は増しますよね。
目先の500円や600円と考えるのではなく、健康面も金銭面も長い目で見た方が確実にお得です。
どんどん厳しくなる
成人男性の喫煙率が最も高い時だと80%超えなので現在は1/3にまで減少しています。
性別・年代別喫煙率の推移
[厚生労働省 最新タバコ事情『成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)』より引用]
冒頭でも書きましたが、喫煙者の状況はどんどん厳しくなってきています。
政府の政策もありますが、世間の目も厳しくなってきているので、喫煙者にとって肩身は狭くなってきています。
近年、とにかく喫煙スペースがなくなってきています。
タバコを吸おうと思っても、なかなか吸う場所が見つからない「タバコ難民」が増加しています。
ヘビースモーカーにとって、ただでさえ頻繁に吸っていないとストレスなのに、喫煙する場所が見当たらないのは相当なストレスでしょう。
2020年「改正健康増進法」により、飲食店の喫煙の条件がかなり厳しくなりました。
国の政策とはいえ、これは飲食店にとっても損失は大きいですね。「禁煙になったから家族連れでいける」という安心感もありますが、どちらが良いのかはお店のターゲット層次第というところでしょうか。
昨今の健康ブームも相まって、確実に「タバコがイヤ」という人が増加しているのは確かなので、喫煙者にとっては辛いこの傾向は今後さらに強くなるでしょう。
国にとって国民は立派な資源なので、できるだけ長生きして欲しいという考えが背景であるのでしょう。
とはいえ、タバコ税は2兆円あることから、大きな財源になっていることもまた事実です。
増税された影響で喫煙者が減少する一方、今のところはタバコ税の総額としては維持しています。
つまり、高くなっても根強く買い続けている人が多いということでしょう。
このように様々な議論の余地はありますが、昭和の制度に戻ることはないでしょう。
以上、デメリットを見てきました。
「喫煙者はどれだけリスクを理解した上でその選択をしているのか?」ということです。
タバコに限ったことではありませんが、定期的に自分の行動を把握し、その判断は正しいのか確認することは大切です。
加熱式タバコ、電子タバコはどうなのか?
まず現在でもまだ、加熱式タバコ、電子タバコがどの程度の健康被害があるのかはっきり分かっていません。
しかし、徐々にそういった報告が増えてきているのもまた事実です。
加熱式タバコ、電子タバコは「有害物質が90%減る」と言うことで、急速に使用者が増加していきました。
そこにはある種の数字のトリックが仕掛けられています。
有害物質が90%減るのと、病気になるリスクが90%減るとは言っていません。
そこを勘違いすると、この先思わぬ被害があるかもしれません。
今まで出ていた有害物質は確かに減少しますが、新たな物質を吸うことになるのです。
最近の傾向としては「加熱式タバコ、電子タバコもどうやら健康被害がありそうだ」という流れにはなってきています。
だから、「紙巻きは健康に悪くて、電子は体に悪くない」といった考えは捨てた方がいいでしょう。
今後、加熱式タバコ、電子タバコの取り扱いも変わってくると思われるので、注意してください。
以下では依存関連として「カフェイン」について紹介しています。
禁煙するために
ただでさえ習慣化していることをやめるのは大変なことです。
その中でも依存成分があるタバコは特に大変だと言えます。
もちろん禁煙するためのグッズを使うのも手段の一つですが、今回はそれ以外の方法をご紹介します。
禁煙するポイントを3つに絞りました。
トリガーを見極める
宣言する
いつから禁煙するか決める
「そんなの分かっているよ」って思うでしょうが、本気で行動に移したことがありますか?
騙されたと思って一度試して下さい。
トリガーを見極める
孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆からず」に習い禁煙を実践していきましょう。
ここまで読んだ方なら、タバコ(敵)についての知識は大体分かったかと思います。
あとは、己です。
自分がどこでタバコで買い、どこでどういうタイミングでタバコを吸いたくなるのか、全て洗い出しましょう。
「毎朝、駅前のコンビニで買い、会社の喫煙所で昼ごはん食べたあと吸う」
「夜、飲みにいった時に吸う」
「手持ちぶさたな時(暇な時)に吸う」など。
このようにご自身の習慣がトリガーとなっています。
まず、できる限りタバコに関する行動は避けます。
駅前のコンビニに入らないなど、変えられる行動は変えていきます。
ただ変えられない行動の場合は、代わりとなる行動を決めましょう。
例えば、「ご飯食べたあとはコーヒーにしよう」「口元が寂しい時はガムやアメにしよう」などです。
喫煙者が「口もとのさびしい」というのをよく耳にするので、口に何か入れるというのは対策になるのでしょう。
また、悲しい感情が喫煙を促す研究があります。
だから、禁煙中は悲しい感情になる行動も避けた方が良いでしょう。
こう考えるとストレスとタバコというのはかなり相関がありそうですね。
難しいですがストレスもできるだけ遠ざけたいところです。
宣言する
家族や友人など、裏切れない人達に宣言するというのは大切です。
自分の中だけの約束を破ることなんか簡単にできてしまいますからね。
そこに他者の想いが入ることは人間にとって強いモチベーションとなります。
これは目標達成の手段としても有効な手段です。
達成したら、何かご褒美を与えてもいいでしょうし、工夫の仕方は無限大です。
さぁ、やってみましょう!
いつからやるか決める
実は、人間は時間の制約が好きです。
「自由をなくしている感じがして嫌だ」と思いそうですが、実は反対です。
「いつやるのか?今でしょ!」が効果的な時も多いですが、全てに当てはまる訳ではありません。
例えば、「来月の1日から始める」
と決め、周りに宣言し、トリガーも排除する準備を進めていきます。
それまではいくら吸っても良いので、「運命の日」までに決心が固まります。
夏休みの宿題みたいな感じですよね。
「8月29日までは好きなだけ遊ぶ。その代わり、後の3日で追い込むぞ」
かなりの人がこういう経験しているんじゃないでしょうか。
実際、なんとかなりますからね。
さぁ、組み合わせてチャレンジしてみましょう。
注意点
禁煙開始後2~3日をピークに10日ほどは禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れるようです。
その時に、いかに気持ちをコントロールしていくかが大切です。
まとめ
今回は現在のタバコ事情から、タバコがもたらすリスク、禁煙まで深くみてきました。
癖になると抜け出すのは大変なので、まず手を出さないことが一番です。
若い頃は何にでも興味あると思いますが、沼にハマりそうなことは初めから排除しましょう。
長年の喫煙者はやめるのは大変だと思いますが、自身や周りのリスクを今一度よく考えた方がいいですね。
ここまで言ってなんですが実は、僕はそこまで喫煙否定派ではありません。
「人生楽しんで生きている」って考えるタイプです。
周りにも喫煙者はたくさんいますが、父親以外で止めたことは一度もないかなと思います。
誰しも、人生一度きり。行動を決めるのは常に自分自身でありたいですからね。
「吸うと決めるのも自分、吸わないと決めるのも自分」これが理想です。
とは言え、やめたくてもやめられない方は本当に応援したいです。
今回の記事がそういった方の参考に少しでもなったらと思います。
最後までありがとうございました。
参考
・『厚生労働省 最新タバコ事情』
・JT タバコの基礎知識
・非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解
・YouTube メンタリストDaiGo『タバコをやめれない人の【意外な正体】とは』
以下は、カフェインの記事です。
【敵か!?味方か!?】カフェインの真実【うまく付き合おう!】