今回はカフェインについて解説していきます。
みなさんご存知の通り、カフェインはコーヒーや紅茶など身近な飲料にも含まれています。
そういった飲み物を毎日飲む方も多いのではないでしょうか?
そんな身近な存在だからこそ知っておきたいのがメリット・デメリットです。
うまく付き合っていけば味方になってくれますし、付き合い方を間違えると敵にもなりえます。
この機会にそんなカフェインについて深く知り、距離感を今一度考えていきましょう!
目次
カフェインの歴史
1819年ドイツの化学者フリードリヒ・フェルナンド・ルンゲが、コーヒーの成分からカフェインを抽出しました。
そうです、「コーヒー」(英:Coffee,独:Kaffee)こそ、「カフェイン」(英:Caffein,独:Kaffein)の語源です。
道理で似ているわけですね。
それから今日にわたり研究が重ねられ、医薬品や飲料として広く使われるようになりました。
もちろん現在も様々な研究や実験がされているので、これからも新たな発見がされるでしょう。
安全基準量と食品のカフェイン含有量の表
とても大切なので、先に安全基準量と食品に含まれるカフェイン量の目安を見ていきましょう。
カフェイン安全基準表
悪影響のない最大摂取量 | 機関名 | |
妊婦
|
300mg/日 | 世界保健機構(WHO) |
200mg/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) | |
300mg/日 | カナダ保健省 | |
授乳中の女性 | 200mg/日※1 |
欧州食品安全機関(EFSA)
|
健康な子ども、青少年 | 3mg/体重(kg)/日 | |
2.5mg/体重(kg)/日 |
カナダ保健省
|
|
4-6歳 | 45mg/日 | |
7-9歳 | 62.5mg/日 | |
10-12歳 | 85mg/日 | |
13歳以上の青少年 | 2.5mg/体重(kg)/日 | |
健康な成人
|
300mg/日(3mg/体重(kg)/1回)※2 | 欧州食品安全機関(EFSA) |
400mg/日 | カナダ保健省 |
[食品安全委員会の資料をもとに作成]
※1)乳児に健康リスクは生じない。※2)1 回当たり摂取量約 3 mg/kg 体重以下(例:体重 70 kg の成人で、約 200 mg 以下)であれば急性毒性の懸念は生じない。
カフェイン含有量の表
品名 | 数量 | 数量あたりカフェイン含有量(mg) | 1リットルあたりカフェイン含有量(mg) |
---|---|---|---|
Guayakí マテ茶 (loose leaf) | 6 g | 85[79] | 約358 |
エキセドリンタブレット | 1つ | 65 | N/A |
エスプレッソコーヒー | 44–60 mL | 100 | 1,691–2,254 |
コーヒー(インスタント) | 235 mL | 62 | |
コーヒー (豆から抽出したもの) |
235 mL | 95[78] | |
コーヒー味アイスクリーム (ハーゲンダッツ) |
1/2カップ | 30 | |
コカ・コーラ | 350 mL | 35 | |
コカ・コーラ Classic | 355 mL | 34 | 96 |
ジョルト・コーラ | 695 mL | 280 | 403 |
デカフェコーヒー | 207 mL | 5–15 | 24–72 |
ドリップコーヒー | 207 mL | 115–175 | 555–845 |
パーコレートコーヒー | 207 mL | 80–135 | 386–652 |
ペプシ Max | 355 mL | 69 | 194 |
ペプシコーラ カフェイン強化版 |
200 mL | 38 | |
マウンテンデュー | 355 mL | 54 | 154 |
ミルクチョコレートバー(カカオ11%) | 1本(43 g) | 10 | N/A |
ミルクチョコレートバー(カカオ45%) | 1本(43 g) | 31 | N/A |
モンスターエナジー | 355 mL | 142 | |
モンスターエナジーM3 | 150 mL | 140 | |
レッドブル | 250 mL | 80 | 320 |
紅茶 | 235 mL | 47 | |
茶(黒茶や緑茶など、3分煎じ) | 177 mL | 22–74[76][77] | 124–416 |
緑茶 | 235 mL | 30~50 |
[wikipedia『カフェイン』より]
僕はスターバックスによく行くので一応言っておくと、各ドリンクサイズは、ショート(240ml)、トール(350ml)、グランデ(470ml)、べンティ(590ml)です。
トールサイズだとカフェイン量250mgほどですからほとんどの人にとって十分効果はあるでしょう。
カフェインの良い効果
カフェインは摂取後30-45分ほどで効果はあらわれます。
効かせたいタイミングを計算して摂取すると良いですよ。
あとでも解説しますが、継続して摂取すると効果は次第に薄れます。なので、使うタイミングは限定して摂取すると、本来の効果が得られます。
覚醒作用
運動パフォーマンスの向上
脂肪燃焼を促進
疲労感を軽減
覚醒作用(眠気覚まし)
カフェインの作用として、多くの方が一番はじめに思い浮かべるのが「覚醒作用」ではないでしょうか。
いわゆる、”眠気覚まし”です。
徹夜で何かする時や日中の眠気覚ましにこの作用を利用している方も多いでしょう。
では、なぜこのような作用を引き起こすのか簡単に説明しておきます。
人が眠気を催す一因は、脳内で「アデノシン」という物質がアデノシン受容体(アデノシンの受け口)に入ることです。
つまり、「アデノシン」が睡眠に関係しているのです。
しかし、カフェインにはアデノシンが受容体に入ることをブロックする作用があります。
カフェインがアデノシン受容体に先に入っちゃうということです。
その結果、ヒスタミン(覚醒物質)が活発になり、眠気が減少し集中モードに入れるというわけです。
脂肪燃焼
ダイエットにカフェインを摂取すると良いと聞いたことありませんか?
この理由は「リパーゼ」という消化酵素が活発になり、脂肪がエネルギーとして使われやすくなるからです。
つまり、脂肪が燃えやすくなるということですね。
もちろん摂取するだけで勝手に痩せてくというわけではなく同時に運動する必要があります。
運動パフォーマンスの向上
アスリートやトレーニングしている人もカフェインを利用することがあります。
僕も時々使うことがあります。
アドレナリン、ノルアドレナリンの分泌が促進されるので、脳や筋肉は完全に戦闘モードになります。
それに加え、集中力もアップし、脂肪をエネルギーとして使う分、持久力もアップします。
これらの効果があるので、運動パフォーマンスを向上させるのに非常に有効です。
以下をあわせて読むと、ダイエットにも詳しくなります。
疲労感を軽減
上記と共通する部分がありますが、疲労感の軽減、鎮痛作用もあります。
医薬品として使われていぐらいなので、この作用は大きいと言えます。
疲れている時にコーヒー飲んだらシャキっとするのもこのためですね。
カフェインといかに付き合うか
さてここからは、カフェイン危険性について見ていきます。
上記の裏返しみたいなことですが、めちゃくちゃ大切なので見てください。
ハッキリ言って、これを理解せずにカフェインは摂取しない方が良いです。一例ですが、これぐらいはおさえておきましょう。
・カフェインの感受性
・カフェインの中毒性
・朝のコーヒー
・眠れなくなる
カフェインの感受性
これは人により本当に様々です。
体格、年齢などにより安全基準は異なりますが、たとえ同じ年齢、体重であっても効き方が違うということです。
一応、このような部類に分けられます。
高カフェイン感受性 1日100mg
中カフェイン感受性 1日200〜400mg
低カフェイン感受性 1日500mg〜
基準はあくまで基準ですが、それぞれの許容量を超えてしまうと、下痢、吐き気、めまい、動悸など様々な症状が表れますので注意してください。
たとえるなら、アルコールに似ているかもしれません。
アルコールも人によっては全く飲めないですし、何杯飲んでも全く変わらないという人もいますからね。
自分自身がどれだけの許容量があるかというのは、はじめ分からないでしょうから、カフェインを摂取した時の身体の変化を鋭く観察してください。
心拍数が上がった」
すぐにおしっこに行きたくなった
みるみるやる気が出てきた!
などの症状が出ると思うので、それがどの程度の摂取量で出たのかしっかり覚えましょう。
そうすることによって各々でどれだけ摂取すれば効果が出るか把握できるので、コントロールしやすくなりますよ。
カフェインの中毒性
カフェインを連続で摂取していく内に、身体が段々慣れていきます。
つまり、同じ摂取量では疲労感の軽減や眠気覚ましの効果がかなり落ちていきます。
そこで効果を維持しようとすると、どんどん摂取量を増加せざるをえません。
ついには効果を出すために飲むのではなく、カフェイン自体を欲するようになるのです。
これが中毒になっていく過程です。
「コーヒー飲まないと落ち着かない」
「エナジードリンクの味が好きで毎日飲んでいる」
「以前より確実に摂取量が増えている」
などに当てはあると、もしかしたらカフェイン中毒になっている可能性があります。
そうなると、摂取を徐々に減少させるか完全にストップさせることが必要です。
過剰摂取で死亡したケースもありますので本当に気をつけてください!
中毒の人にとって、それはとても辛いと思います。
ストップして間もない頃は、頭痛、ダルさ、不安感などの症状もあるようです。
それも仕方ないので、なんとか乗り切っていくしかありません。
褒めているのか、貶しているのか分からないですが、カフェインの凄いところは罪悪感を抱かせないところです。
アルコールの場合だと「これ以上飲むと…」となるのに、カフェインの場合なかなかなかそうならないですよね。
これが落とし穴なので、くれぐれも注意しましょう。
カフェインレスコーヒーを利用するなど、工夫すれば少しは楽になるかもしれません。
朝のコーヒー
朝の目覚めの一杯としてコーヒーを飲むのは実はオススメできません。
カフェインは覚醒作用があるので、確かにパッと元気になるような感じがします。
これはある種のドーピングで、無理矢理目覚めさせているわけです。
朝は人間本来持っているコルチゾールの働きがあるので、その作用で目覚めさせていくのが理想です。
しかし、カフェインで目覚めさせると朝のコルチゾールの働きが悪くなります。
コルチゾールサイドからすれば、「俺いなくても目覚めるみたいだからサボっちゃおう!」となるのです。
人間本来の能力は大切にした方が良いので、それを失わせるような行為は避けたいところです。
ポイントは起床後1〜2時間は飲まないことです。
それぐらい時間が経過すれば、コルチゾールの働きも落ち着くので飲んでも大丈夫です。
眠れなくなる
散々言ってきましたが、カフェインには覚醒作用があります。
大体どの資料を見ても、睡眠の3〜4時間前には摂取しない方が良いと書いています。
ただ、3〜4時間では完全に抜けきるというわけではありません。
だから6時間前ほどは見といた方が良いので、夕方以降はコーヒーなどは飲まないようのが無難でしょう。
私は寝れているから大丈夫!
という方もいらっしゃると思いますが、「ただ寝れている」のと「良質な睡眠」は全く違います。
意図せず、睡眠の質を下げている可能性がありますので、そこは十分に注意しましょう。
血糖値を上昇させやすくする
「インスリン」の効き方が悪くなると言われています。
インスリンは血糖値を下げる作用がある大切な物質です。
血糖値のコントロールがしにくくなるので、特に糖尿病の方はかなり注意が必要です。
逆に、コーヒーを1日3〜4杯飲むと、糖尿病発症のリスクを低下させるという論文もあります。
一瞬「えっ!?」ってなりますよね。
つまり、「糖尿病の予防にはなる可能性はあるけど、糖尿病になってから改善できるものではない」ということです。
最後に、基準量を見ていきましょう
まとめ
今回はカフェインを見てきました、
整理すると、「使うタイミングに注意し、適切な量を摂取すると良い」ということです。
際限なく摂取し続けるとカフェイン中毒になるので、それは避けたいですね。
うまく付き合っていけば、メリットはたくさんあるので、あくまで利用する側の立場でいたいところです。
ちなみに僕は、ほぼ毎日コーヒーを一杯飲みますが、それ以上欲しくなるということ一切ありません。
また、効きが弱くなった感じもあまりしません。いまだにコーヒーを飲むと尿意をもよおします。
個人差は大きいと思いますが、段々増えていくのは危険なので、量は一定にした方が良さそうですね。
最後までありがとうございました。
参考
・厚生労働省『食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~』
・wikipedia『カフェイン』
・農林水産省『カフェインの過剰摂取について』
・食品安全委員会『カフェイン表』