【後編】食品添加物とどう付き合いますか?【まさかの結論】 - We are SETAGAYA ブログ

【後編】食品添加物とどう付き合いますか?【まさかの結論】

野菜と果物の画像 Health

さて、今回は食品添加物の「後編」です。

前編を読んでいない方は前半もどうぞ。

【前編】食品添加物とどう付き合いますか?【真実は何!?】

後編では、「どの添加物がやばいのか」から始まり、よく議論されるアスパルテーム、アセスルファムK、ショートニングなどにも触れます。次に食品表示の見方、最後に食品添加物といかに付き合っていくか、というところまで掘っていきます。
最後まで読めば、間違いなくご自身の食品添加物の付き合い方は決まりますので、ぜひ最後まで見てください。

それでは、後編にまいりましょう。

目次

どの添加物がやばいのか?

改めて、皆さんは食品添加物に対してどういうイメージを持っていますか?

ほとんどの人が「何となく悪いイメージ」か「あまり気にしていない」のどちらかと思います。極端な意見を持っている人はまだまだ少ないかなと思います。

否定派の意見は添加物の種類によって様々ですが、共通しているのは「害がない添加物もあるけど、健康に悪影響を与えるものがある」と主張していることです。

食品添加物は厚生労働省が厳正な検査をした上で使用許可を出していますが、それでも尚、「危険だ!」と言われているのです。

この章では特に議論が強くなされている食品添加物を取り上げて、解説していきます。

・アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムK、スクラロース

・亜硝酸ナトリウム

・マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド

これらは本当によく議論される代表例です。他にもありますが、大体が同じような結論になるので敢えて絞って解説します。少ないと思った方は申し訳ございません。

アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムK、スクラロース

個別で説明しても良いぐらいですが、「人工甘味料」としてまとめて紹介します。

これらは砂糖の数百倍の甘さを持っているので、甘味料として砂糖の代わりとして使用されます。「ダイエット食品」と謳われている食品によく使用されています。

砂糖と比較すると、カロリーを抑えられ、味もある程度再現でき、製造コストも削減できます。

ちなみに、個人的な感想ですが、健康どうこうではなく、味そのものがあまり好きではありません。例えば、コーラを飲むとしたら必ず通常の方を飲みます。それっぽい味にはなっていますが、まだまだ同じとは言えませんね。

さて、そんな人工甘味料ですが、否定派はどう主張しているのか。

否定派の意見

マウスの実験でガンのリスクが上がるという結果がでている

肯定派の意見

一日摂取許容量(ADI)を守っていれば、毎日摂取したとしても人体には影響がありません。一日摂取許容量(ADI)はそれ以内の量であれば一生食べても問題なしとしている数値ですから。実験結果も人間に直接当てはめられるエビデンスにはなっていません

このような具合です。

人間は少しでもダメと言われると心理的にブロックがかかるので、確固たるエビデンスがない中でもそちらの意見に流さがちです。

実際の所はどちらが正しいのか分からないけど、リスクは背負いたくないなぁ

これが本音じゃないでしょうか。どちらを信じるかは、あなた次第というところです。

亜硝酸ナトリウム

こちらはハム、ソーセージ、明太子などによく使用されます。

発色剤、防腐剤としての役割があります。

発色剤としては、食欲をそそるような色を出します。スーパーで並ぶハムなどがピンクっぽい色をしているのはそのためです。くすんだ色と、生き生きした色どちらを買うかと言えば、ほとんどの人が生き生きした方を選んでしまいます。添加物を多少気にしている方であっても、なかなかくすんだ方は手を出しづらいと思います。

防腐剤としては、猛毒のボツリヌス菌など、細菌の繁殖を抑えてくれます。他にも様々な要因があるとは思いますが、食品添加物の発達により食中毒が以前と比較して激減していることは事実です。

さぁ、否定派の意見では、

これが含まれている食品を食べることで強い発ガン物質がつくられるでしょ!

肯定派の意見は、

こちらも量は規制されています。ハムやソーセージの製造の際、0.070g/kgまでなら亜硝酸ナトリウムを使って良いことになっています。その量内であれば問題ありません。ちなみに一日摂取許容量(ADI)は、スーパーで売っているハムでいうと50枚程度の量です。毎日それほどの量を食べますか?

こちらも同じような議論です。一方は「健康を害する!」、もう一方は「量を守っていれば大丈夫!」この構図は変わりません。

極端な偏食をしなければ問題はないかということでしょうか。「筋トレをすれば、筋肉はつく。しかし、毎日欠かさず関節が痛くなるほどするのは、オーバーワークになるので逆効果」このようなことでしょう。

最近では食品会社さんも世間の意見を受けて、あまり添加物を使わないようにする傾向にあります。こうするのは、もちろんその方が売れるからでしょう。利益を出してナンボですから。

マーガリン・ショートニング、ファットスプレッド

パンやクッキーなどのお菓子類によく使用されます。

これらを使うことで、味や食感などクオリティーに大きく影響します。コンビニのパンだけではなく、街のパン屋さんでも使用されています。

これらが今まで紹介した人工甘味料や亜硝酸naと違う点は、「日本と海外で規制の差」があることで有名です。時には、「禁止にしていないのは日本が遅れているから」という意見もあります。そもそもの論点はこれら添加物に含まれている「トランス脂肪酸」です。トランス脂肪酸を摂取しすぎると、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やし、肥満や心筋梗塞などにつながるとされています。さて、これに関して日本の対応は実際どうでしょうか?海外と比べ圧倒的に対応が遅いのでしょうか?そうだとしたら政府が無能すぎる気もします。以下を読んでいきましょう。

2003年にWHOは『生活習慣病を防ぐために食事からとる栄養素の量の目標』を公表しました。

この中でトランス脂肪酸の摂取量に関して「総摂取エネルギーの1%(2g)に相当する量よりも少なくすること」とあります。

それを受けてアメリカをはじめ様々な国で禁止、または規制強化がされました。

日本では農林水産省が2005-2007年に調査をしています。

その結果、日本人のトランス脂肪酸の1日当たりの平均的な摂取量は「総摂取エネルギーの0.44~0.47%(0.92~0.96グラム)」でした。

つまり基準値のおよそ半分です。とは言え、現在も日本の食品会社は世間の考え方の変化を受けて、更なる低減の努力をしています。「ショートニング=悪」などと考え時はじめた人が多くなったからです。ちなみに、アメリカの規制前の数値は総摂取エネルギーの2.6%でした。

その後もWHOは、食品事業者へトランス脂肪酸の低減を繰り返し呼びかけています。

つまり、日本と外国でこんなに摂取量の差があるということです。日本でも食事が欧米化してきたとはいえ、根本的に日々食べているものがまだまだ違うわけですから当然です。

小、中学校の集会で「タバコを毎日吸ったら、こんなに肺が黒くなります」みたいな授業ありませんでしたか?基本的には未成年はタバコを吸っていないので関係ありません。しかし、「吸ったら害がある」という勉強にはなります。「大人になっても吸わないようにしよう」とか思いますよね。喫煙している先生達は毎回ドキッとしていたでしょうね。WHOが言うのはそれと同じようなことです。「摂りすぎている国があるから気をつけてや」ということです。

そもそも日米で死亡原因を比べても全く違います。アメリカでの死因は「心臓病」が最も多いですが、日本では「ガン」です。肥満と心臓病は相関しているといくつも研究があります。肥満は間違いなく食生活から来ています。

このように日本と外国では食文化が根本的に違うので、単純比較はできません。

トランス脂肪酸を摂りすぎると身体に害があるということは事実ですが、日本人がトランス脂肪酸の摂取に過剰反応する必要はありません。それよりも日本人で言うと、塩分の摂りすぎの方が問題です。日本食は伝統的に塩分が多く含まれていますよね。味噌や醤油が代表例です。

このように各国により対応が違って当然です。隣の被害を自分ごととして受け入れるのは日本人の「真面目さ」ゆえです。良い面もあり、悪い面もあります。

「頭隠して尻隠さず」「トランス脂肪酸隠して、塩隠さず」といったところでしょう。みなさんも塩分の摂りすぎに注意しましょう。

食品表示、原材料名の見方

さて、なかなか濃い話で疲れましたね。一旦、話題を変えていきます。

ここでは食品表示の原材料名の見方について知っていきましょう。食品パッケージの裏側に書いてある表示です。これを覚えていれば、自分で判断できるようになるので、知っていて損はないですよ。

・原材料名は使用した重量が多い物順で表示される

・食品添加物は「/(スラッシュ)」の後に表示される

・一般用加工食品(アレルゲン)には(大豆を含む)のように表示される

何も難しいことはありませんね。まず、原材料名は使用した重量が重い物順で表示されています。原材料名は思いつきの順番で書いている訳ではないということです。

/の後からは添加物の表示ですが、こちらも重量順になっています。またスラッシュを使わずに、改行や区分別にして明確に表示されることもあります。

一般用加工食品(アレルゲン)とは、アレルギーの原因となる抗原のことです。全部で28種類あり、うち7品目には表示義務があり「特定原材料」とされ、残り21品目には表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」とされています。

特定原材料の7品目(表示義務)

卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに

特定原材料に準ずるもの21品目(表示推奨)

いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、アーモンド、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉

また、アレルギー表示は原材料名の直後に表示される場合と、最後にまとめて表示される場合があります。これに関しては分かりやすく表示するに越したことはないですね。最近はレストランでも聞いてくれるところが多くなった印象です。

これらを知っていると、いつも手にする食品には何が使われているかをチェックできるようになります。意識の問題ですが、知って買うのと知らずに買うのとでは違うので覚えてしまいましょう。

どう付き合っていくか

さぁ最後の章です。ここが一番大事です。

ひとまず、いかに食品添加物についての議論がされているか分かっていただけたかと思います。

議論とは、両者それぞれが信じている意見(仮説)を持って行われるものなので、どちらかが折れない限りなくなることはありません。どんなに強い仮説でも批判する人はいますし、どんなに弱い仮説でも賛成する人はいます。

そこを踏まえて、自分はどう考えるか決めましょう。

それぞれのスタンスがあるべき

新型コロナウィルスの考え方でもそれぞれ違いますよね。自分がかかるのは百歩譲って良いけど、子どもや両親など身内にかかって欲しくないし移したくない。

また、考え方だけではなく体質もそれぞれ違います。ワクチンの副反応が出る人と出ない人がいるように、食品添加物を摂取した時の反応も人それぞれ違うという可能性もあります。

そこで何より大切なのが、自分のスタンスを決める

様々な意見を入れた上で、考えている僕の考えは以下です。

100%安全とは言い切れないが、そこまで不安を煽る必要があるのかは疑問。何より人それぞれ体質が違う

結局どちらの意見を信じるかは自分次第ですからね。ただし自分の中で事実をしっかり追っていきましょう。変な思い込みを持ってしますと、振り回されます。

例えば「何らかの食品添加物をやめたら、アトピーの症状が明らかに改善した」という人がいるとしましょう。

ここでの事実は「アトピーが改善した」ということだけです。

なので、この情報だけでは食品添加物を摂取しなくなったから改善したとは言い切れません。他にも何かが変わり、それが改善のきっかけとなったかもしれません。自分では認知していないアレルギー食材があったというケースも考えられます。その場合、アトピーの原因は食品添加物ではなく、食品アレルギーだったということです。

逆に、本当に食品添加物が原因であるという可能性もあります。それこそアレルギー反応に個人差があるように、食品添加物にも個人差があることは十分に考えられます。

もう一つ例え話ですが、「世界で一番最初に牛乳を飲んだ人が体調を崩した」としましょう。

それを見ただけで、「牛乳=悪」というのは早計です。

それの人は「牛乳を飲む前に、他に何か食べていた」「乳アレルギーだった」「単純に飲みすぎた」など色々考えられます。そもそも一人が飲んだ結果だけで判断するのは無理があります。

しかし、リスクの取り方は性格により異なります。「体調を崩した人が一人でもいるのならば、イヤ!」と言う方もいれば、「最初の人がたまたま体調を崩しただけで、自分はどうかは分からない」などスタンスは様々です。食品添加物との付き合い方はまさにこれと同じです。

今後、さらに科学が発達して、「1+1=2」ぐらいの確証が持てれば良いですが。

否定派の意見の方が目立つ

どんな分野でもそうですが、批判的な意見の方が取り上げられがちで目立ちます。

人間は強めに否定されたら若干、躊躇してしまいます。また一度、信じてしまうと誰かに伝えたいという欲も働きます。

上記したように食品添加物の良し悪しは、「1+1=2」のように誰が見ても答えが同じ、抽象的なものではありません。今のところ、結局どう考えるかは自分次第です。

食品添加物に反対する本は書店で平積みされています。しかし、全肯定する本はそうではありません。なぜか?反対する本の方が注目されるからです。そのような本を数冊読んだら、ほとんどの人が否定派になるでしょう。読まなくても、平積みされているだけで、そう判断してしまう人もいるでしょう。

しかしそれだけで判断して良いでしょうか?肯定派の意見もしっかり聞いたでしょうか?

最も危険なのは、片方の意見だけを取り入れ、自分のみならず周りまで巻き込んでしまうことです。

逆に、国の機関が言っているから、全て正しいと思い込むのも違います。

前編でも書きましたが厚生労働省の公式で、

「安全性上問題ないことが確認されていますが、仮に安全性上問題となるような結果が明らかとなった場合には、食品添加物の基準を改正するなど必要な措置を講じる」

としているぐらいです。何がどうなるかは誰もわかりません。

プラシーボ効果

否定派の人が「食品添加物をやめると体調がよくなった」と言います。実体験が何よりの証拠だというのです。これはどうでしょう?

薬の治験で必ずプラセボ群という検査対象が用意されます。プラセボ群を簡単に説明すると「この薬を飲むとこんな良い効果が起こりますよ」と説明された上で、実際には偽薬(何も効果がない薬)を服用する群です。

人間の面白いところは、この偽薬でも効果が若干出るところです。「病は気から」と良く言いますが、これは本当で、信じることで効果が出るのです(プラシーボ効果)。この理由から治験では、「何も与えていない群」と「本当の薬を服用した群」を比較するのではなく、「プラセボ群」と「本当の薬を服用した群」を比較することで、効果を確かめるのです。

食品添加物は身体に悪いと思い込んでいる人が、摂取やめると体調が良くなったとするのも、この影響があるはずです。世の中、信じることは大切ではありますが、それだけで押し切ることはできません。

さぁ、かなり結論も複雑化してきました。

結局どないやねん!?

「安全策を取りましょう!」つまり、偏食をせずに食事のバランスに気を使っていれば大丈夫ということです。完全に逃げみたいな結論ですが、それが一番でしょう。

繰り返しですが、アルコールで人によって酔いにくい酔いやすいがあるように、食品添加物でも耐性や非耐性があるかもしれません。その辺りは今後も様々な実験でわかってくるはずです。

それまでのスタンスとしては、

コンビニご飯もありだけど、毎日は避けるようにしよう」ということです。要はバランス。野菜でさえ一つの野菜を大量に食べると体調を崩しますからね。また、子ども、妊娠中、男女、年齢、体調、体質など立場や要素はそれぞれですが、あまり考えすぎずストレスをためないようにしましょう。

今の時点で言えるのは、

「1ヶ月間、ポテチだけで生活する男」みたいな危険な企画だけはダメということです。

まとめ

今回の記事で書いた内容も暫定的なもので、僕自身が様々な所から得た知識から判断しているだけなので、もちろん100%正解というものではありません。そんな神様ではありません。なので、こういう意見もあるんだなと思って、食生活を少しでも見つめ直す機会になれば幸いです。正直、テーマを決めた段階では、否定派で書こうと思っていました。しかし、調べていくにつれ全否定できる事ではないと感じたので、結論が中庸となりました。

食品添加物は全否定するのに、アルコールをガブ飲みするヘビースモーカーは世の中にはいます。人間は矛盾する生き物です。それはそれでありでしょう。ストレスを溜め込まないのは良いことです。

結論、

バランスが大切

そんなどっちつかずのまとめとなりました。

今回も最後までありがとうございました。

参考

・DIAMOND ONLINE『「テレビでは絶対教えてくれない」食品添加物の超簡単な見分け方』
健康長寿ネット『食品添加物の安全性と表示の見方』

・J-STAGE『食品添加物の国際比較について』
・厚生労働省『食品添加物』
・農林水産省『トランス脂肪酸に関する国際機関の取組
・農林水産省『すぐにわかるトランス脂肪酸
・農林水産省『各国・地域における脂質・トランス脂肪酸の摂取量
・農林水産省『硝酸塩の健康への影響
・国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部第三室『食品添加物ADI関連情報』

・公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 『指定添加物(規則別表一)のJECFAによる安全性評価』

・東京財団政策研究所『アメリカNOW 第95号 アメリカを阻む“巨大な問題”・・・蔓延する肥満~医療費拡大のA級戦犯、ソーダ禁止令まで登場?(袴田奈緒子)』

安倍司 著 『食品の裏側』東洋経済新報社発行

渡辺雄二 著『最新版食品添加物ハンドブック』 ビジネス社発行