今回は格闘技についての記事です。
「格闘技はやってみたいけど、なかなか一歩踏み出せない」という気持ちは本当によく分かります。
「やっている人がシンプルに恐そう」「練習で毎回ケガしそう」などなど、どうしてもこのようなイメージが先行しがちです。
この記事ではそんな誤解をときつつ、メリットや入会の仕方までしっかり解説します。
では、本編に参りましょう。
目次
格闘技について
まず、現在の格闘技事情について話していきます。ここは興味がなければとばしても構いませんよ。
時を1960年代まで遡ると、ボクシング人気が凄かったようです。
ファイティング原田選手の試合は、テレビの視聴率が60%超えの大人気でした。
これは当時の紅白歌合戦の次ぐ視聴率だったそうです。
キックボクシングや総合格闘技でいうと、2000年代はじめの頃にK-1やPRIDEが一世風靡し、大晦日の風物詩になっていました。
2003年の「ボブサップVS曙」では、視聴率40%超えで、瞬間で紅白歌合戦を上回っていたほどです。
しかし、そのブームも徐々に下火となり、地上波放送もなくなり、低迷期と言われるほど沈んでいきました。
それから時間が経過し、様々な事情が重なり、今、再びブームとなりつつあります。
その理由は様々あります。
スター選手の誕生
ボクシングの井上尚弥選手、キックボクシングの那須川天心選手や武尊選手、RIZINの朝倉兄弟など、ここ数年でスター選手が沢山誕生しました。
また、SNSや動画配信サービスなどITが発達したのもブームの後押しをしています。
選手達は試合以外でも、露出する機会が増えました。YouTubeやSNSは、自分自身やイベントを盛り上げられるツールとして抜群に良いです。
格闘技に興味がなかった人でも、普段の格闘家の姿をみてファンになるというケースはすごく増えました。
格闘技ジム数の増加
全国各地で格闘技ジムの数が増えたことも大きな理由です。
以前は「近くにジムや道場がない」というのが当たり前でした。
現在は健康意識の高まりもあいまって、フィットネスクラブや格闘技ジムが急激に増加しました。
今や自宅や勤務先の近くにジムがある人も少なくないでしょう。
ジムの数が増えることで、老若男女問わず格闘技に関わる人は格段に増えたと思います。
また現在のこういった傾向のおかげで、格闘技ジムの敷居も色んな意味で低くなりました。
ジム数が少なかった時は、本当にやりたい人だけが集まるので、目バキバキの人が多かったのは事実です。
しかし、現在はフィットネス感覚でやりたい方が多くいるので、そういう方に入りやすいジムが沢山あります。むしろそういう客層を取り込めないジムは経営がかなり厳しくなっています。なのでジムの経営方針も昔とはかなり変わってきています。
もちろん時代の流れから選手でも、オラオラ系の人はかなり少なくなりました。
テレビで見る格闘家も好青年が多いですよね。格闘家はエンターテイナーなので、ビジネスオラオラ系の人はいますけど。基本、良い人ばっかりです。
ということなので、全ての人に入りやすい環境は整いました。
敷居が低くなった今こそ始める絶好のチャンスです。
さて続いては、実際に格闘技をやる上でのメリットを見ていきましょう。
メリット
筋力とスタミナを養える
脂肪燃焼
メンタルの強化
楽しめる、ストレス解消
筋力アップ&スタミナアップ
格闘技の種類により養える筋肉は異なりますが、どの格闘技でも基本的にスタミナと同時に筋力も強化できます。
プロボクサーやプロキックボクボクサーは上半身裸なので分かりやすいですが、筋肉が発達してる選手が多いですよね。
実は筋トレを全くせずにしなやかな身体になってるという選手も多いです。
ジムでの練習だけで、特に筋トレはしていないということです。もちろん補強として筋トレをしている選手も多くいますが、格闘技の練習で筋肉がつくことは確かです。
脂肪燃焼
格闘技の練習は有酸素運動と無酸素運動の間ぐらいの強度です。
もちろん個々人のペースにより変わってきますが、トレーニング中のカロリー消費が多いのは確かです。
また上記の通り、筋肉もつきます。
筋肉量が増えれば基礎代謝も増えるので痩せやすい身体もなりますよ。
メンタル強化
どのスポーツでもそうですが、トレーニング時は身体的にキツイ瞬間が必ずあります。
格闘技は息が上がっている時にこそ強いパワーを求められます。しかもやらないとやられる世界なので、いやでも精神力が鍛えられます。
1人で走るとそこまで追い込めなくても、ミットなどでは楽しくメンタルも強化できますよ。
楽しくストレス解消
格闘技は紛れもなく非日常です。
日常でパンチやキックをすることは、まずありません。それをできるのが格闘技です。
みんながみんなパンチキックをしたいという願望があるとは思わないですが、してみたい欲求や興味は多くの方があると思います。
それらを満たすことは、楽しく気持ちが良いです。またストレス解消にもなるでしょう。対人練習ではなくミット打ちでも、初めての方なら「ある種の快感」を覚えるぐらい気持ち良いと思います。
また運動するとドーパミンが出るので、その点でも気持ちは良くなります。
このようにストレス解消できる要素がたくさんあるということです。
メリットを知ったところで、いよいよジムの入会方法についてみていきましょう。
ジムの選び方
ここではジムの選び方をご紹介します。ジム選びは非常に大切なので、以下を参考に慎重に決めましょう。
ちなみに、どのジムに入っても大体練習メニューは同じです。
ストレッチ→ウォーミングアップ→シャドー→ミットかサンドバッグ→ミットかサンドバッグ→対人練習(希望者)→クールダウン。このような流れです。
また、クラスレッスンをやっているジムもあります。その辺りも考慮に入れましょう。
①料金
②場所
③人の雰囲気
④ジムの設備
料金
まずはジムの料金です。
正直、ジムの月会費に大きな違いはありません。
都市により違いはありますが、それを除けば大体足並みを揃えています。
東京の相場は以下の通りです。
種類 | 料金 |
入会金 | 10000〜20000円 |
月会費(男性) | 10000〜13000円 |
月会費(女性) | 8000〜11000円 |
キッズ(中学生まで) | 5000〜8000円 |
パーソナルトレーニング | 3000円〜 |
一日体験 | 0〜2000円 |
あとは登録料などが発生する場合もあります。
また練習中のケガに備え、入会時に別途スポーツ保険(2000円以下です)に加入する必要があります。これはほぼ全てのジムであります。
この他、より細かく料金設定しているジムもありますので、よくチェックしてください。
またジムによってはパーソナルトレーニングは一切やっていない所もありますし、逆にパーソナルトレーニングのみのジムもあります。
あとパーソナルトレーニングは料金が本当にバラバラです。一応、3000円〜とは書きましたがそれ以上のことの方が多いと考えてください。
当然ですが、完全プライベートのジムでは料金が高くなる傾向にあります。
ジムによっては多くの芸能人が通っていたりするので、そういう方々はパーソナルをしているケースが多いですね。
道具の料金
ジムにより異なりますが、グローブなどは無料で貸し出しているところがほとんどです。
無料のものは、使用後にアルコール除菌をして使いまわすシステムです。
ただこういうご時世ですし「人が使った物はちょっと…」という方も多いはず。
そういう方はご自身で道具を揃える必要があります。
必要なものは以下です。
<必須>
・パンチンググローブ(8オンス以下)
・バンテージ(はじめは軍手でも可)
<必要に応じて>
・大きいグローブ(14〜16オンス)※対人練習をする場合
・ヘッドギア(本格的な対人練習する場合)
・マウスピース(顔に接触がある対人練習をする場合)
・ファールカップ(男性・対人練習する場合)
・膝パッド(キックボクシング、総合格闘技・対人練習する場合)
・レガース(キックボクシング、総合格闘技・対人練習する場合)
・シューズ(ボクシングの場合)
まず、ディスカウントショップで売っているような「ものすごく安いもの」はやめた方がいいです。
すぐに表面が破れたり、ちぎれたりするので結局コスパが悪くなります。
もちろん、いきなり全ての道具を揃える必要はありません。ご自身で必要性を感じたときに追加していけば良いです。それまではジムのものを借りるので十分だと思います。
以下は僕のオススメです
一番のオススメは「WINNING」というメーカーです。
日本発のメーカーですが、今や世界中で愛用者がいます。
細かいところまでこだわって設計されているので、打ち心地が抜群で、長持ちします。
何よりフィット感が素晴らしいので、ほとんどのプロボクサーはWINNINGを使って練習しています。
ちなみに、パッキャオやメイウェザーなど超有名選手達も練習で使用しています。
もちろん僕も使用していますよ。
WINNING8オンス
上記の「WINNIG」は質は抜群ですが、「いかんせんお値段が…」なので初心者がいきなり買うのは勇気が入ります。
というわけで「TWINS」もオススメです。
タイのメーカーで、ムエタイの試合でもよく使用されています。ムエタイがあるようにタイでは格闘技が盛んなので、有名なメーカーもいくつかあります。中でも、はじめに買うグローブとして「TWINS」はオススメです。
特徴としては拳の部分のクッションが分厚いので、拳を痛めにくくなっています。皮もしっかりしています。
WINNINGと比較するとだいぶ値段も安いわりに、使い心地も良いです。そこまでこだわりがなければ、ここから始めても良いと思います。
WINDY8オンス
入会してからジムに置いてあるいろんなメーカーのグローブをつけてみて、一番しっくりきたものを買うのが良いですよ。
あと、服装は一般的な運動着でOKですよ。
場所
継続できないと意味がないので、場所はとても重要です。
もちろん通いやすい所が良いです。
できるなら、職場や自宅どちらかに近い方が継続率は上がるかなと思います。
乗り換えの駅とか、途中下車の駅にすると、初めは良くても後々手間に感じてきます。
特に継続が苦手な方はそういう手間は省いきましょう。
ジムの設備
古い、新しい、キレイ、汚い、広い、狭いなどポイントは様々あります。
お部屋探しと似ていますね。
ただお部屋探しと違うのは、条件によって料金はあまり変わらないということです。
よっぽどこだわった施設を設けていたり、パーソナルジムでない限りは、古くても、新しくても、キレイでも、汚くても、料金に差はありません。上でもジムの月会費の相場を書きましたが、大体あれぐらいです。
人により許せる許せないのポイントが違いますが、しっかり考えご自身に合ったジムを選びましょう。
雰囲気
ジム選びで場所は非常に大切だと言いましたが、それ以上に雰囲気は大切です。
「場所は良いけど雰囲気が良くない」より「場所はそこまで良くないけど、雰囲気が良い」方が良いと僕は思います。
一般的なフィットネスジムだと、筋トレやランニングマシーン(トレッドミル)するだけなので、誰ともコミュニケーションを取らずに終わることも多いと思います。
24時間ジムなら誰とも挨拶すらせずにトレーニングを終えることもあるでしょう。
しかし、格闘技ジムに関しては、ほぼ100%コミュニケーションをとります。
なので、トレーナーや会員さんの雰囲気、練習の内容が大切ということです。
問題はどうやってそれらを感じとるかです。これが最も難しいでしょう。
一番良いのは、「体験に行くこと」です。
いきなり入会する方はあまりいないと思いますが、必ず体験はしてください。
一回で全て掴み取れるわけではありませんが、なんとなくでも分かれば良いと思います。
また、体験直後に決めるのは避けましょう。テンション上がっている状態では普段の感覚と違うので、我に帰ったときに「あっ!」となる場合があります。だから家に帰って落ち着いてから、後日入会するかどうか決めましょう。
回数券のようなものがあるジムなら、まずはそれを使うのもありです。
あまり聞いたことがありませんが、くれぐれも「その場で強引に入会させる」ようなところはやめましょう。
良いジムなら、気持ちに余裕があるのでそんなことはまずしないと思います。
また、ホームページやSNSもフル活用するのは大切です。
選手が多いジムでは、選手と一般会員の練習時間を分けているところもあります。その辺りもホームページなどで確認してください。
入会する際の順番としては、こんな感じです。
①場所の検索
↓
②目ぼしいジムの設備を調査
↓
③体験にいく(雰囲気のチェック)
↓
④入会する
↓
⑤順次、道具を揃える
この順番が違ってくると、色々な不具合が起こる可能性もありますので、この流れでいきましょう。
格闘技の種類
最後に、身近にある格闘技のジムや道場の種類をご紹介します。
人によって何がやりたいかは異なりますので、参考にしてください。
また、対人練習などはやりたい人だけがやる形になることが多いです。
ほとんど接触がないタイプのマスボクシングやシャドーマスなどもあります。
それらを考慮して、どのタイプのジムにいくか決めましょう。
ボクシング
キックボクシング
総合格闘技
柔術
空手
テコンドー
護身術・合気道
ボクシング
ボクシングは簡単にいうと、拳にグローブを着け、パンチのみで攻防する格闘技です。
ボクシングジムの種類は、大きく分けて2つです。
日本プロボクシング協会(JBC)に加入しているジム、全くプロ選手がいないフィットネス型ボクシングジムです。
またプロ選手がいるジムであっても、一般会員(フィットネス会員)を募集しているジムがほとんどなので、どちらも気軽に入会できます。
傾向としては、フィットネスタイプのジムだと対人練習(スパーリングなど)は一切しないというところも多いです。
対人練習をしたいかしたくないかは好みによるので、入会の前にその辺りを確認しましょう。
キックボクシング
キックボクシングは、パンチとキックを使い攻防する格闘技です。拳にグローブを着けます。
細かくいうとややこしくなりますが、もう少しだけ深く説明します。
キックボクシングジムのタイプには大きく分けて3つあります。
タイ発祥のムエタイ系のジムとK-1系のジムとその中間です。
どのタイプのジムに入会するかにより練習内容は異なります。
まずムエタイは肘を使っての攻撃がOKです。
また首相撲と言って、立った状態で組み合いながらの攻防もOKです。
逆にK-1では、肘と首相撲は禁止です。なのでパンチとキックに特化していると言えます。
ムエタイとK-1の中間のジムでは、それらを満遍なく学べます。
このようにルールが少しずつ違うので、ジムのタイプによっても練習内容が違ってくるということです。
好みはそれぞれなので、入会の際はどのタイプが良いのかよく考えましょう。
またボクシングと同様、対人練習の有無は入会の際に確認しましょう。
総合格闘技(MMA)
総合格闘技は、キックボクシングに加え、寝てからの攻防もありという格闘技です。拳には指を動かせるオープンフィンガーグローブを着けます。
毎年、大晦日の夜に放送されている「RIZIN」では、MMAルールで行われる試合が多いですね。
大きな特徴といえば、やはりパンチとキック以外にも、「関節技」ができるということです。
なので、打撃も関節技も両方トレーニングしたいという方にはオススメです。
総合格闘技は習得すべきことが多いですが、打撃クラスや寝技(柔術)クラスなど時間を区切っているジムが多いので、初心者の方も落ち着いて練習できますよ。
柔術
柔術はパンチ、キックなどの打撃はなしで、攻防をする格闘技です。
柔術メインのジムといっても、打撃の練習もやっているところが多いです。
そこは入会する際に確認しましょう。
基本的には関節技の練習がメインにはなりますが、もちろん練習ではケガしないようにおこなうので、最近ではキッズの需要も高まっています。
空手
空手は突き(パンチ)と蹴り(キック)で攻防する格闘技です。
空手は本当に沢山の流派がありますが、大きく分けると2つです。
伝統派空手(寸止めの競技)とフルコンタクト空手(直接打撃制)です。
2021東京オリンピックの競技でおこなわれたのは伝統派空手です。
キックボクシングと違うのは、型があるということです。
東京オリンピックで、空手の型の競技もあったので見た方も多いと思います。
空手は教育の側面も大きいので、子どもの習い事として根強い人気があります。
テコンドー
テコンドーは韓国発祥の格闘技です。
主に蹴りあって、ポイントで競う格闘技です。
オリンピック競技なので世界での競技人口は多いです。
日本では、道場の数がボクシング、キックボクシングと比較するとかなり少ないです。
キッズの習い事として通わせている方も多くいます。
柔道
柔道は投げや絞め技で競う日本発祥の格闘技です。
説明するまでもないと思いますが、特に日本においては圧倒的な知名度があります。
また東京オリンピックで金メダルを連発していたのも記憶に新しいです。
空手と同様、子ども達の礼儀作法、教育の一環として通わせる方が多いです。
格闘技はこの他にも沢山ありますが、今回はこれぐらいにしておきます。
以上であげたものが、数が多くそれなりに見つけやすいと思うので、参考にしてください。
まとめ
今回は格闘技についてオススメさせていただきました。
格闘技は人によって様々な印象を抱いていると思いますが、少しでも身近に感じていただらけたら幸いです。
僕は長年格闘技をしていますが、いまだに楽しさや面白さを感じます。
この先もおそらくなくなることはないと思います。
また上で説明した通り、フィジカル的にもメンタル的にもメリットはたくさんあります。
学べることが多いので、キッズの習い事にも適しています。
少しでも興味がある方は是非チャレンジして下さい!
きっと良い経験になると思いますよ!
最後までありがとうございました。
以下の記事で、ボクシングのことなど、各運動の強度のついて詳しく取り上げています。
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