今回は「集中力」についての記事です。
いきなりですが、みなさんは集中力がありますか?
長い人生では、必ず集中力を要する場面に出くわします。「大事なテスト」「大量のタスク」「大事な試合」など挙げればキリがありません。身に付けさえすれば、仕事、スポーツ、日常生活などあらゆる場面において間違いなく効率アップします。
そこで今回は僕が集中力に関する様々な本から得た知識の良いとこ取りをして、まとめてみました。読むことで集中力に関する知識は少なからず深まります。
集中力オールスターズの内容になっていますので、是非最後までお楽しみください。
目次
集中力とはなんぞや
集中力を身につけるためには、まずは「集中」とはいかなるものか知ることが大切です。
小難しい話も出てくるので、「そんなこと言わないで、サッサとやり方だけ教えてよ」と思うかもしれませんが、ここはなんとか乗り越えてください。
かの中国の偉人「孫子」も説いていましたが「敵を攻略したければ、まずは敵を深く理解すること」が肝要なのであります。
テストではないので一つ一つ単語を暗記する必要はありませんが、仕組みはある程度覚えておいた方が実践する際に役立ちます。
集中している状態とは
キーワード
・ドーパミン
・エンドルフィン(β-エンドルフィン)
・GABA
集中していると状態とは、意識が目の前のタスク(目標物)にだけ向いている状態です。
滅茶苦茶当たり前のことですよね。テストでも、ゲームでも、読書でもなんでも構いませんが、目の前にあることだけを考えているということです。
この時の脳では「ドーパミン」というホルモンが出ています。通称、幸せホルモンとも言われ、やる気やモチベーションにも深く関わっています。
このドーパミンこそが集中する上での最重要ワードです。
それなら常にドーパミンを出して集中状態にすればいいじゃん!
宇宙はそんなにお人好しではありません。そこまでの能力はチート(反則)です。全力ダッシュをずっとできる身体にすれば良いと言っているのと変わりません。
そもそも集中することは生物にとって凄いエネルギーがいることだと理解して下さい。
また生物にとって「過集中」集中しすぎることは、時に致命傷となりえます。例えば、集中しすぎて周りが目に入らず、敵の襲来に気がつかないという野生ではあるケースです。
そのため脳ではドーパミンが過剰に出るのを抑制するために「GABA」という神経伝達物質がでて、過集中を防止します。それが良くも悪くも集中できない要因の一つです。
そこで登場するのが「エンドルフィン(β-エンドルフィン)」です。このエンドルフィンはGABAを抑制するため、ドーパミンの分泌を促してくれます。
またエンドルフィンというと「気持ちいい、楽しい」などの感情になることでも有名ですよね。ランナーズハイもどうやらこの影響みたいです。集中している行為そのものが幸福感をもたらすということです。
ドーパミン、エンドルフィンをうまく分泌させられれば、集中ができるということです。
ある食品会社で『GABA』というチョコレートの商品があります。これは興奮状態を抑えてくれるGABAの性質を考えたもので、興奮状態とは脳にとってはある種のストレスなのでそれを抑制しようという方向です。
さて、ここまででなんとなく「集中」について分かってきたでしょうか?
小難しい話になりましたが、とりあえずドーパミンが重要な役割を担っているということは理解していただけたかと思います。次からは、集中力の特徴を解説していきます。
集中には限度がある
上でも少し触れましたが、集中することはエネルギーたくさん必要です。そのため限度があります。
とは言え、その限界値の時間はトレーニングにより伸ばすことができます。
だから、集中力を高められるように、日々集中して物事に取り組めば良いわけです。
決して才能だけでは決まらないので、諦めず鍛えましょう!
判断力と集中力ともに前頭葉の働き
「集中する時」と「判断する時」、実は両方とも脳の前頭葉(前頭前野)が働きます。
つまり、日常生活での何らかの判断を繰り返すことは、集中する時と同じように脳を疲れさせてしまうことになります。
有名な話で言えば、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが毎日同じ服を着ているのは、無駄なことに判断力を使わないようにしているという話です。
彼らは服に重きを置いた仕事ではないので、毎朝、服を選ぶことで前頭葉を疲弊させてしまうことを避けていたのでしょう。そうすることで仕事のために脳のスタミナを温存できたということです。これはあくまで理論上の話なので、実際に朝の服選びでどれほど疲れるか分かりませんが、世界のトップに立つような企業のCEOともなるとそれぐらいシビアに考えるのでしょう。
また、通学路、通勤路など日々幾度となく繰り返されることは、次第に判断という枠組みではなくなります。つまり、前頭葉を使わなるのです。そういった事も覚えておくと、いざ集中したい時に役立ちます。
もちろんここまで大袈裟にする必要はありませんが、スマホ、PCでのゲーム依存やSNS依存は脳が疲れる要因になるのは間違いありません。かと言ってプロゲーマーを目指す人が、1日1時間しかゲームをやらないというのはまた違います。結果、ハマることも大切ですが、それが与えるデメリットも考慮した方が良いという話です。
集中にはメンタルの安定も重要
集中力はメンタル状態が大きく影響します。最も集中できるのは適度に不安や緊張がある時です。オリンピックという大舞台で実力を最大限発揮するアスリートはもれなく緊張しています。少し緊張していた方がドーパミンが出ることにより心拍数が上がり、身体は完全に闘争モードになります。逆にリラックスしすぎるとそうはなりません。リビングでゆっくりしている時に急に試合ってなっても動けないのと同様に、最高のパフォーマンスを発揮するには緊張や不安も必要です。
また極度の不安や緊張なども集中できなくなりいつも通り身体が動かなくなってしまいます。
みなさんは青春時代の恋でそんな経験ありませんでしたか?
好きな人のことを考えすぎて、他に全く集中できないよ!
大人になっても、何かと不安や緊張する場面があります。
どうしても逃れられない場合は仕方ないですが、無闇に不安に感じたり、緊張したりするのは良くありません。
そういった不安や緊張を取り除ける限り取り除いて、集中できる環境づくりをしていきましょう。
欲は誰にでもやってくる
生きていれば誰にでも楽しいことや悲しいことがあるように、欲も誰にでもやってきます。
性欲、食欲、睡眠の他にも、「スマホゲームしたい」「SNS見たい」「LINEしたい」など欲にはあらゆる種類があります。そして、それら欲のパワーは凄く強いです。
欲の奴隷になってしまうと、ただ欲に動かされているだけの人間になります。欲のイエスマン状態です。欲からすれば「こんなチョロいヤツいない」と思っていることでしょう。一度そうなってしまうと開放されるのにもそれなりの時間がかかってしまいます。ですので、良い距離感を保ちましょう。
生きるために満たさないといけないものもありますが、冷静に考えてみると不必要なことも多いはずです。欲のイエスマンでは人生、前に進めません。
「3歩進んで2歩下がる」なら良いですが、「3歩進んで、5歩下がる」になると赤字です。
とは言え、みなさん分かっていますよね?欲に振り回されるといけないということぐらい。それでも応えてしまうから困っているのだと思います。多くの人が何らかの欲がでてきた瞬間、それを遠ざけようと試みます。そして、あえなく失敗します。どんどんそのことを考えてしまうからです。
「青い像のことは考えないで」と言われると、どうしても青い像のことを想像してしまうのと同じです。遠ざけようとする行為そのものが、滅茶苦茶意識してしまっているのと他ならないからです。
では、どうすれば良いのか?
欲が出てきたどうしよう?
こういう流れです。まず、欲がきたことを受け入れる。徹底抗戦はしなくても大丈夫です。他のことをして時間が経つにつれて次第に欲薄くなり、いつしか過ぎ去っていきます。
欲求は長くても10分で過ぎ去ると言われているので、それを覚えておくと心強いかもしれません。
欲求の奴隷にならないように、または解放されるように、日頃から理性を働かせようにしましょう。ただただ欲が過ぎ去る姿を見るだけで良いんです。
さて、ここまでで集中力に必要なことが分かってきたと思います。
一言にすると、自分自身の外側と内側の環境づくりが大切ということです。
それを踏まえ集中するためのコツを紹介していきます。
集中するためのコツ
・時間を決める
・食事
・興味を持つ
・ルーティンを決める
・邪魔モノを排除する
・シングルタスク
時間制限する
人間は「時間」という概念と隣り合わせです。
時間を最大限に有効活用する者こそが人生の勝者となります。
いきなりインチキセミナーみたいなワード失礼しました。
つまり時間は非常に大切なので、ただ流れているだけにせず、自分の中で制限をすると良いということです。時間制限をかけることで、脳はやる気がアップし、集中します。
「大事なテストの時に凄まじい集中したことありませんか?」
「夏休みの最後の3日間の集中力で、40日分を巻き返したことはありませんか?」
まさしくそれが時間制限による集中力です。集中力を作り出すのはあくまで脳です。
脳が働かないことには集中はできません。
繰り返しになりますが、筋肉と同じように脳も疲れるのでぶっ続け何時間などはやめた方が無難です。徹夜で勉強しても、次の日のテストで集中できなければ意味がないです。
長時間の集中は、絶対にどこかしらで途切れている時間帯があります。
オススメは50分集中、10分休憩です。
義務教育の時間設定が実は理想的なんです。50分集中するけどその後10分休めると考えると、頑張れそうですよね。脳もムチばかりでは手懐けられないので、アメもちょくちょく与えましょう。
もちろん時間の長さは人によって異なるので、自分で調節してもらえたらと思います。
1日の時間制限だけでなく、何年後の長期目標、何ヶ月後の目標、何週間後の中目標、何日後の小目標を決めると、さらに効果的です。脳が前向きになりドーパミンが出るので、集中しやすいメンタルになります。
食事
これは鈴木祐著『やばい集中』で取り上げていて、僕も「なるほどなぁ」と感じたので挙げておきます。食事は地中海食が理想的なようです。以下の表は、ほぼ抜粋です。
地中海食
食べ物の種類 |
具体的に |
量 |
全粒粉穀物 |
玄米、オートミールなど |
150g×3 |
葉物野菜 |
ほうれん草、ケールレタスなど |
生150g/調理75g |
その他の野菜 |
玉ねぎ、ブロッコリー、にんじんなど |
150g |
魚介類 |
サーモン、さばなど |
週1回120g |
鶏肉 |
ニワトリ、鴨など |
週2回85×2 |
豆類 |
大豆、レンズ豆など |
60g |
ベリー類 |
ブルーベリー、いちご、ラズベリーなど |
週2回 50×2 |
ナッツ類 |
マカダミアナッツ、カシューナッツなど |
20g |
オリーブオイル |
エキストラバージンオリーブオイル |
親指ほど |
ワイン |
主に赤ワイン |
150mlまで |
体に悪い食べ物
食べ物の種類 |
量 |
バター、マーガリン |
1日、小さじ一杯 |
お菓子 |
週5食まで |
赤肉、加工肉 |
週400g |
チーズ |
週80g |
揚げ物 |
週1回 |
ファストフード |
週1回 |
外食 |
週1回 |
基本的にはこのような内容です。
簡単そうに書いてますが、実現するのはなかなか苦労しますよね。
また現段階のエビデンスがあり僕としては納得しているものの、絶対的に正しいとは言い切れません。様々な研究があるので一概には言えません。だから、納得がいかない方もいると思います。そういう場合は偏った食事になることは避けましょう。
あと、食事においては記録も大切です。
上の食事を達成できた日ぐらいの大雑把な記録でも良いですし、もっと細かく付けられるなら尚良しです。
カフェイン
カフェインは集中するためには非常に有効です。
体質に合わない方もいらっしゃるので万人にオススメはできませんが、摂取することで集中しやすくなります。
カフェインは100〜150mgの摂取が目安です。カフェインの感受性により量は異なるので参考にして下さい。
注意していただきたいのは、デメリットがあるということです。400mg以上の摂取、起床後90分以内の摂取は、悪影響を及ぼす可能性があります。間違えるとカフェイン依存症や他のホルモン分泌の阻害にもなるので適切に取り入れましょう。
カフェインに関しては、過去の記事で詳しく解説していますので、こちらも見てください。
【敵か!?味方か!?】カフェインの真実【うまく付き合おう!】
興味を持つ、好きになる
人間ってよくできています。
興味があれば前向きに取り掛かれますし、興味がなければやる気が出なくて作業効率が下がります。
ドーパミンの影響はやる気、記憶の定着にも深く関わっているからです。
学生時代に好きな科目はすぐ覚えられるのに、嫌いな科目はなかなか覚えられないということがありませんでしたか?それと同じ現象です。
良い例で言うと、小さな子どもは声をかけても全く耳に入らないてほど集中していることがあります。すごく興味があるため没頭できるのです。
しかし、大人になると良くも悪くもアレコレ考えることが出てきて、一つのことに集中できないことがあります。いくら興味があっても、集中できなくなります。また、あまり興味がなくても取り組まなくてはいけないことがあります。
それが大人の宿命です。無駄なものは排除して、なんとか面白い要素がないかを探究したり、自分なりに工夫して面白い方向に持っていきましょう。
ルーティンを決める
イチローのことを言います。すみません、ありきたりですがイチローが一番分かりやすいんです。僕調べで、日本のルーティンの話は9割イチロー絡みです。
簡単にいうと、「彼は日々、様々なルーティンを行うことで、いつも平常心でバッターボックスに入れるようにした」と言う話です。
ルーティンの決め方は人それぞれですが、決めることによって集中する環境作りにはなるでしょう。
僕の場合は、身体をストレッチで身体をほぐすと「さぁやるぞ」というスイッチが入れやすくなっています。運動の時にできた習慣ですが、デスクワークの時も同じことをやるとスイッチが入りやすくなりました。
邪魔なものを排除する
みなさんご存知の通り、スマホはありとあらゆる欲を掻き立てます。
ゲームやSNSなどのアプリは人間の脳の仕組みを徹底的に研究した上で開発されています。どれだけハマってもらえるかが勝負なので、そこは各社必死です。
というわけで、意志が弱ければアッサリと欲望に流されてしまいます。
集中したい時だけ触らず、置いておけば良いんでしょ?
というわけではありません。
もはやスマホが最高の娯楽化している人達にとって、自分のスマホが視界に入るだけでも欲が湧きます。パブロフの犬のような状態です。
触らないようにできるかもしれませんが、無意識で脳内では少なからずチラついているのです。
だから、集中する際は視界には入らないようにしましょう。バッグの中に入れるなど視界からは消し去りましょう。同じ理由で、マンガやテレビなども視界に入らないようにした方が良いですよ。他にも視界に入る欲は、取り除きましょう。
心地良い音で集中
音も集中する際に重要です。
うるさすぎるのはまずNGです。明らかに気がそっちに向くと感じればダメだと思ってください。
基本的には、自然界の音(川、山、風など)やクラシックが良いとされています。
あと意外かもしれませんが、生活音があるリビングで勉強した子のほうが、成績が良いという話もよく耳にします。音がある中ですることで、集中力が養われるのでしょう。
逆に、無音の方が集中しにくいとされています。無音が気になって、集中が妨げられるということです。それもそのはずですよね。普段、全くの無音なことなんて滅多にありませんから。人は、何かしらの音に常にさらされています。
好きな音楽は集中する前の儀式(ルーティン)としては良いかもしれませんが、作業中はノリすぎてそっちに意識がむかってしまう可能性があります。
恥ずかしながら僕は間違いなくそのタイプです。そういう意味では、クラシックが大好きな人は興奮しすぎるので集中する際は、自然音にした方が良いかもしれません。自然音で興奮する人は…。
答えはひとつではありません。ご自身でマッチするものを見つけましょう!
シングルタスク
一つのことに対して集中して作業をしていくことがとても大切です。
能力、スペックが高くて集中力も高ければマルチタスクができるというイメージを持ちがちです。
しかし、マルチタスクは実際には存在しません。
マルチタスクっぽく見える時はシングルタスクを瞬間的に切り替えながら作業しているにすぎません。
そして、そのような作業こそ最も脳が疲弊します。
パソコンでいろんなアプリを開きながらネットを繋げていたら、「ブーーーーン」っていうすごい音が鳴る時ありますよね。スマホでも熱くなったりします。
マルチタスクっぽい作業をすると、人間でもあの現象が起きてしまいます。
結局、そうすることで全体のパフォーマンスとしても下がってしまいます。
よくやってしまいがちの、いわゆる「ながら作業」がダメということです。
僕もスマホいじりながら漫才や映画を観たりすることがあります。そういう時ほど、面白く感じなかったり記憶に定着しにくくなっています。それでも尚、大爆笑させているフットボールアワー、ブラックマヨネーズは凄いとしか言いようがありません。急に完全な主観、失礼いたしました。
だから、いろんなタスクが重なった時も、まずは一つに集中して終わらせて、新たな一つに集中して終わらせての繰り返しの方が、結果的にうまくいくはずです。
まとめ
さて、いかがでしたか?
今回は集中力の高め方について語ってきました。
集中を生み出すのは脳でありドーパミンです。
そのためには、
・興味(モチベーション)を持つ
・ルーティンを決める
・心地良い音を聴く
・栄養価が高い食事を摂る
・カフェインを利用する
・集中を阻害する要素を排除する
・一点集中する
これらを実践すればあなたも集中できるはずです。
正直、今回は項目が思ったより多くなってしまいました。今後、載せられなかったトピック含め別の記事でも紹介できたらと思います。瞑想など他にも効果的なものがありますからね。
集中力は才能だけで決まることではありません!諦めずに継続して鍛えていきましょう!
それでは最後までありがとうございました。
参考
・鈴木 祐『やばい集中』SBクリエイティブ
・DaiGo『自分を操る超集中力』かんき出版
・デボラ・ザック『SINGLE TASK -一点集中術- 』ダイヤモンド社
・青砥瑞人『4FOCUS 4つの集中』KADOKAWA
・DIAMOND ONLINE『集中力15分説はウソ。「のめり込む人」の脳内で起きていること【青砥瑞人×佐宗邦威(4)】』